概要
とてつもなく大きい数( とか)を与えられて、「はい、何桁でしょう?」という問題はよく出てくる。その時に強力な味方になるのが、 常用対数を使って立式する考え方。下の例を通じて学ぼう。
常用対数は、底を とする対数のこと。底って何それ美味しいの?っていう方は、対数関数の定義から復習しよう。例えばこのはいち先生の授業動画シリーズの「対数」の動画を参照。
例
以下、、 とする。
【問 】 は何桁か?
桁とおいて、この を求める。 が 桁であることを数式で書くと、
となる。この立式がめちゃくちゃ大事。 の何乗か、イコールはつけるのかどうか、について悩むので、 覚えるのではなくて、その都度小さい数で実験すると良い。例えば、 桁の数 は「 以上 未満」なので、
と書ける。つまり、左辺の指数は桁数 で等号付き、右辺の指数は桁数で等号は付かないことが、すぐにわかる。
元に戻ると、 の全ての辺は正なので(← 真数条件 )、常用対数を取ることができて、
となる。ここで、底が で より大きいので、不等号の向きが変わらないことに注意。対数関数の性質を使ってどんどん変形していくと、
これを満たす自然数 は と求まる。つまり 桁とわかる。
【問 】 を小数で表したとき、初めて ではない数が現れるのは小数第何位か?
小数でも同じように考えられる。つまり、小数第 位で初めて ではない数が出てくるとすると、
となる。これも小さい数で実験して確かめよう。例えば、小数第 位で初めて ではない数が現れる数(例えば ) は 以上 未満なので、
と書ける。つまり、小数第 位で初めて ではない数が現れるとき、左辺の指数は で等号付き、右辺の指数は (プラス される)で等号は付かないことが、すぐにわかる。元に戻ると、上の例題と同様に常用対数をとって、
これを満たす自然数 は と求まる。つまり小数第 位で ではない数が現れる。小数のときは、よりややこしいので、気をつけよう。
補足
問題集や先生によっては、与えられた数をいきなり対数の中に入れて、対数の値を求めていくときもある。それでももちろんOKで、やってることは変わらないので、好きな方で解こう。