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媒介変数表示


概要

平面上の曲線を、ある変数 を用いて

のような形で表すことを、曲線の媒介変数表示という。媒介変数だと画数が多いので、パラメータというかっこいい別名を用いて、パラメータ表示と言われることもある。

名前は必殺技みたいでかっこいいが、割と理解するのに気合がいるテーマ。

を何か決めると、 つ決まるので、座標平面に点を つ打つことができる。決められた範囲で を動かしていけば、それだけ点 が決まっていき、グラフが描かれる。このように、媒介変数表示から曲線の式を で表せ、という軌跡の問題と絡んでよく登場するので、下の例で考え方を確認しよう。

媒介変数表示と軌跡

ここでは、実数 の範囲を動くときに、

と媒介変数表示された曲線の軌跡の式を求める。

媒介変数表示と軌跡の問題は、逆像法(受験用語!)という考え方を用いると、スッキリと理解できることが多い。初めて聞いたよ、という方は、そちらを先に確認しよう。

まず、逆像法のイメージを確認する。 の範囲で つ決まると、 つ決まって、それは求める軌跡に含まれるというイメージ。この対応を簡単に書くとこんな感じ。

これを逆像法では、 「求める軌跡上の点を勝手においてみて、対応する が存在するかどうか」 で話を進めていく。つまり、適当な点を考えたとき、 の関係を満たす、 以上の実数 がちゃんと存在するか、について考える。イメージとしては、

という感じで、もともとの対応と逆の方向に考えているので、 「逆像法」 と呼ばれる。(大学で写像の概念を学ぶと、スッキリ理解できる)

話を進めると、求める軌跡上のある点を適当に とおくと、 の式は、

となり、この関係を満たす実数 の範囲に存在するような実数 についての必要十分条件 を求めればOK。範囲の条件も一緒にしてあげると、

Untitled 1 P1 47.png

上でも触れている通り、媒介変数を消去するときの「②①」の確認がとても大事。神経を集中させる。

つまり、 が②の関係式を満たすときに、①が成り立つのか(関係式を満たす実数 が存在するのか)、を確かめる。

ここでは、②を満たす実数 に対して、 で実数 が求まる。実数 を満たすので、 の条件も満たすことになる。さらに②より

を満たすので、 で定められた実数 は、

を満たす。よって、①が成り立つことがわかる。

以上より、考えたかった についての必要十分条件は、

である。

もっと詳しくいうと、この式を満たす については を満たす実数 が存在する、つまり軌跡に含まれることになるが、この式を満たしていない については、 を満たす実数 は存在しないので、その点は軌跡には含まれないこととなる。

最後に、 は勝手に取った点なので、一般的な に置き換えて、

が求める軌跡の式となる。

円の媒介変数表示

の、 を媒介変数とする媒介変数表示は、

で表される。変数 個で円を表すことができるという、画期的な技。受験でもときどき便利なことがある。

この詳細は別辞書(円の媒介変数表示の辞書)で確認しよう。

補足

媒介変数というものを間に挟んであげることで、多様な曲線を表すことができるようになる。

なので、媒介変数表示は必ずしも、上のように媒介変数を消去できるとは限らない。数学Ⅲの範囲では、簡単には の式で表されないような媒介変数表示された曲線でも、その導関数を考えたりグラフを書いたりできるようになる。

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