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円の媒介変数表示


概要

平面上の曲線を、ある変数 を用いて

のような形で表すことを、曲線の媒介変数表示という。媒介変数だと画数が多いので、パラメータという別名を用いて、パラメータ表示と言われることもある。「ー」すら鬱陶しいということで、「パラメタ」と言うこともある。

を何か決めると、 つ決まるので、座標平面に点を つ打つことができる。決められた範囲で を動かしていけば、それだけ点 が決まっていき、グラフが描かれる。

ここでは、円のグラフを媒介変数表示してみよう。結論から言うと、半径 の円

は、 を媒介変数として、

と媒介変数表示することができる。(他にも表し方はあるが、よく使うのはこの表示)

円の場合は、媒介変数が角度の意味を持つので、 を用いることが多い。

図形的な解釈

座標平面で、

がどういう点を考えているかを理解すれば、割と当たり前のことを言っていることがわかる。この点 は、下図のように点 から

  • 軸方向に
  • 軸方向に

移動した点を表す。

Untitled 1 P1 51.png

ここで が実数全体を動くとき、点 はこの円上全てを動くことになるので、確かに円

の媒介変数表示になっていることがわかる。

導出

上のチャプターの「図形的な解釈」で理解しておけば十分だと思うが、軌跡の式変形で考えたい! という方はここで確認しよう。

を正の定数とする。実数 を用いて、

と媒介変数表示された曲線の軌跡の式を求める。(ここではサラッと解説するので、まだ媒介変数表示の辞書を確認していない方は、先にそちらを確認!)

ここでも逆像法の考え方を用いる。求める軌跡上のある点を適当に とおくと、 の式は、

となり、この関係を満たす実数 が存在するような実数 についての必要十分条件 を求めればOK。

変形すると、

となり、

Untitled 1 P1 49.png

上でも触れている通り、媒介変数を消去するときの「②①」の確認がとても大事。神経を集中させる。

つまり、 が②の関係式を満たすときに、①が成り立つのか(関係式を満たす実数 が存在するのか)、を確かめる。

が②の関係式を満たすとすると、点

原点中心の半径 の円周上にあることがわかる。

よって、下図のように、 軸正の向きからの角度を をおけば、

を満たすので、実数 は存在することが確かめられる。よって①が成り立つ

Untitled 1 P1 50.png

以上より、考えたかった についての必要十分条件は、

である。

もっと詳しくいうと、この式を満たす については 実数 が存在する、つまり軌跡に含まれることになるが、この式を満たしていない については、実数 は存在しないので、その点は軌跡には含まれないこととなる。

最後に、 は勝手に取った点なので、一般的な に置き換えて、

が求める軌跡の式となる。確かに円を表している。

ちなみに、 に下のような範囲がついているときは、上の議論を考えれば、

  • のとき、上の単位円は一周全て表せるので、結論は変わらない
  • のとき、上の単位円のうち上半分のみを表すことになるので、下のように範囲がつく

と応用できる。

補足(発展:数学Ⅲ)

数学Ⅲの範囲になるが、楕円 の媒介変数表示も同様に考えることができ、楕円

は、 を媒介変数として、例えば

と媒介変数表示することができる。

また、双曲線 の場合も同様に、媒介変数表示を考えることができ、双曲線

は、 を媒介変数として、例えば

と媒介変数表示することができる。もう一つの形態、

の場合は、 を媒介変数として、例えば

と媒介変数表示することができる。どちらも、代入してみて、下の三角比の公式を考えれば、納得できる

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