円の媒介変数表示
概要
平面上の曲線を、ある変数
のような形で表すことを、曲線の媒介変数表示という。媒介変数だと画数が多いので、パラメータという別名を用いて、パラメータ表示と言われることもある。「ー」すら鬱陶しいということで、「パラメタ」と言うこともある。
ここでは、円のグラフを媒介変数表示してみよう。結論から言うと、半径
は、
と媒介変数表示することができる。(他にも表し方はあるが、よく使うのはこの表示)
円の場合は、媒介変数が角度の意味を持つので、
図形的な解釈
座標平面で、
がどういう点を考えているかを理解すれば、割と当たり前のことを言っていることがわかる。この点
軸方向に 軸方向に
移動した点を表す。
ここで
の媒介変数表示になっていることがわかる。
導出
上のチャプターの「図形的な解釈」で理解しておけば十分だと思うが、軌跡の式変形で考えたい! という方はここで確認しよう。
と媒介変数表示された曲線の軌跡の式を求める。(ここではサラッと解説するので、まだ媒介変数表示の辞書を確認していない方は、先にそちらを確認!)
ここでも逆像法の考え方を用いる。求める軌跡上のある点を適当に
となり、この関係を満たす実数
変形すると、
となり、
上でも触れている通り、媒介変数を消去するときの「②
つまり、
は原点中心の半径
よって、下図のように、
を満たすので、実数
以上より、考えたかった
である。
もっと詳しくいうと、この式を満たす
最後に、
が求める軌跡の式となる。確かに円を表している。
ちなみに、
のとき、上の単位円は一周全て表せるので、結論は変わらない のとき、上の単位円のうち上半分のみを表すことになるので、下のように範囲がつく
と応用できる。
補足(発展:数学Ⅲ)
数学Ⅲの範囲になるが、楕円 の媒介変数表示も同様に考えることができ、楕円
は、
と媒介変数表示することができる。
また、双曲線 の場合も同様に、媒介変数表示を考えることができ、双曲線
は、
と媒介変数表示することができる。もう一つの形態、
の場合は、
と媒介変数表示することができる。どちらも、代入してみて、下の三角比の公式を考えれば、納得できる。