瞬間部分積分
概要
数学3の積分を学んでいると、(多項式)×(指数関数・三角関数)の積分のような、片方を何回か微分して0になるような掛け算の積分を考える際に、「部分積分を繰り返せばもとまるのはわかるけど、計算がめんどくさい...」というタイミングがよくある。
こんなときに、瞬間部分積分という下の計算テクニックを用いると、ラクができて計算ミスを減らすことができる。
なお、
であれば を 回微分したもの であれば元の関数 であれば を 回積分したもの
を表すことにし、どこかで関数が0になれば瞬間部分積分はストップする。
動画で学びたい方は、ヨビノリさんの動画や、ガチノビさんの積分革命シリーズ(表を書いていく方法、いわゆるテーブル法についても説明あり)でマスターできる。
証明
単に部分積分を繰り返せばOK。
どこかで0になればおしまい。
部分積分を地道にやっていくと、こんだけ式変形が大変になり、符号ミスが大量に発生することになるが、瞬間部分積分を使えば一行で終わりミスも減るという優れもの。
計算例
上にも書いた通り、部分積分を繰り返すことで片方が0になるような、掛け算の積分に有効な場合が多い。
【例1】次の不定積分を求めよ。
【答1】部分積分を繰り返すと(と言いつつ瞬間部分積分を使う)、
と求められる。(ただし、
【例2】次の定積分を求めよ。
【答2】部分積分を繰り返すと(瞬間部分積分で不定積分を求めて、それで計算できる)、
と求められる。
補足
(多項式)×(対数関数)の部分積分では、途中で約分が発生するので、単純に瞬間部分積分を使うと失敗する。
例えば、地道に部分積分すると、
が正解となるが、瞬間部分積分しようとすると、
こんな感じでストップできず、沼にハマる。
この場合は、例えば
また、瞬間部分積分は単なる部分積分のショートカットであるものの、教科書には登場しないし、受験用語なので、答案に「瞬間部分積分より」とは書かないようにしよう!