## 概要

$1$ の $3$ 乗根、つまり $x^3=1$ の解は $3$ つあるが、そのうち **$1$ ではない解のどちらかをオメガ（$\omega$）** と呼ぶ。

$1$つに数が決まっていない**不思議ちゃん**である。

具体的には、

$$
\begin{align} 
&x^3=1\\\\
&(x-1)(x^2+x+1)=0
\end{align} 
$$

より、$x^2+x+1=0$ の解の**どちらか**が $\omega$ となる。つまり、解の公式より、

$$
\begin{align} 
&x^2+x+1=0\\\\
&x=\frac{-1\pm \sqrt{3}i}{2}
\end{align} 
$$

のどちらかが $\omega$ である。これらより、次の $\omega$ の性質が導かれる。

$$
\begin{align} 
&\omega^3=1\\\\
&\omega^2+\omega+1=0
\end{align} 
$$

また、$x^3=1$ の $1$ ではない $2$ つの虚数解のうち、$\omega$ では無い方は、$\omega^2$ になる。これも不思議なことに、$\omega$ がどちらであっても成り立つ。つまり、$\omega=\displaystyle\frac{-1\pm \sqrt{3}i}{2}$ とすると、

$$
\begin{align} 
\omega^2&=\frac{(-1\pm \sqrt{3}i)^2}{4}\\\\
&=\frac{-2\mp 2\sqrt{3}i}{4}\\\\
&=\frac{-1\mp \sqrt{3}i}{2}\\\\
\end{align} 
$$

となって、$x^3=1$ のもう一つの解が、確かに $\omega^2$ になっていることがわかる。

よって、 **$1$ の $3$ 乗根は、$1$、$\omega$、$\omega^2$** となる。

## 例

【問】$\omega^5+\omega^4$ を求めよ。

【答】上の性質を使いまくる。$\omega^3=1$、$\omega^2+\omega=-1$ なので、

$$
\begin{align}
\omega^5+\omega^4&=\omega^3(\omega^2+\omega^1)\\\\
&=1\cdot(-1)\\\\
&=-1
\end{align}
$$

と求められる。

### 補足

- 不思議な数だが、具体的な値が聞かれる場面は少ない
- 例のように、 **上の $2$ つの性質を使って、次数を落としていく**問題が多い
- $\omega$ がたくさん解答用紙に並んでると www みたいで、**草の生えた楽しそうな答案**になることが多い。

オメガ

概要

例

補足

タグ