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蒸気圧


概要

「蒸気圧」とは、気液平衡状態における気体部分の圧力のこと。飽和蒸気圧とも言います。

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気液平衡における温度と圧力の関係は状態図中の「蒸気圧曲線」を見るとわかります。ただし、教科書や入試問題で蒸気圧曲線を扱うときは、蒸気圧曲線の部分だけ切り取った図が使われがちです。

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詳細

蒸気圧

蒸気圧という名前は「湿度の高さ」みたいな雰囲気がありますが、あくまで気液平衡状態での圧力のことです。たとえば下図ように乾燥した空間に水を放置すると、最初は蒸発のスピードが速く気体の量と圧力が増えていき、気体が十分増えると凝縮のスピードとつり合って気液平衡状態になります。このときの最後の状態の圧力が蒸気圧です。

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このように、液体が蒸発していったときの圧力の最大値のイメージから「飽和蒸気圧」と呼ばれることもあります。

温度のみに依存

蒸発のスピードは温度に依存するので、蒸気圧も温度に依存します。これは蒸気圧曲線を思い出せば当然ですね。

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一方で、気液平衡状態で体積や物質量を変化させても、十分時間がたてば蒸気圧は同じ値に落ち着きます。具体例で確認しましょう。まず体積を大きくした(圧力を下げた)場合、気体の圧力が下がることで凝縮のスピードが下がります。その結果蒸発がさらに進み、最終的に気体の圧力は元の値に戻ります。

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逆に体積を小さくした(圧力を上げた)場合、気体の圧力が上がることで凝縮のスピードが上がります。その結果凝縮が進み、最終的に気体の圧力は元の値に戻ります。

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以上のように、温度以外を変化させても時間が経てば元に戻ります。気体の圧力が自動調整される感じでおもろい。

補足

  • 状態図の蒸気圧曲線を見たときに「でも大気圧はで、そのときの温度は100℃になっちゃうけど?」みたいに思う人がいるかもしれませんが、蒸気圧曲線の圧力とは「水分子気体の圧力(分圧)」のことです。たとえば以下のように水と空気を触れさせて圧力がに保たれるようにした場合、蒸気圧曲線を読むと20℃でなので水の蒸気の圧力が、空気の圧力がになっているということになります。 蒸気圧_6.png

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