ブレンステッド・ローリーの定義
概要
「ブレンステッド・ローリーの定義」は酸塩基の定義の1つで、
この定義は「アレニウスの定義」の問題点を解消した新しい定義です。もちろんアレニウスの酸塩基はすべて、ブレンステッド・ローリーの定義でも酸塩基です。
詳細
ブレンステッド・ローリーの定義
ブレンステッド・ローリーの酸塩基の定義は以下の通り。
- 酸:他の物質に
を与える物質 - 塩基:他の物質から
を受け取る物質
ちなみに、陽子1個と電子1個からなる
これより前に「アレニウスの定義」がありましたがこれには、①塩基のはずのアンモニア
しかしブレンステッド・ローリーの定義はこれらの問題を解消しています。
おまけ(濃硫酸の強さ)
濃硫酸は濃度が99%近い硫酸で、1%の水と99%の硫酸でできています。少なすぎる水にたくさん塩を入れても溶け残るように、濃硫酸も水が少なすぎて硫酸分子がほとんど電離できません。つまりアレニウスの定義で考えると、濃硫酸はちょっとした
しかし実際に反応を起こすと濃硫酸は酸としてとても激しく反応することからわかるように、「
たまに「濃硫酸は弱酸」と教えられることもありますが、本質的にはやはり強い酸だということですね。
補足
- (*注1)水溶液中の水素イオン濃度で酸性を測るpHは、アレニウスの定義に基づいた考え方とも言えます。濃硫酸のようにアレニウスの定義でうまく分類できないやつらは、酸の強さをpHではうまく測れないのです。
- 単にブレンステッドの定義と言われることが多いです。この定義はブレンステッドさんとローリーさんがお互い独自に編み出したものですが、アルファベット順のせいでローリーさんは省略されがちでかわいそうです。
- ちなみに回路理論で出てくる「テブナンの定理」の正式名称は「鳳・テブナンの定理」です。せっかく日本人の鳳先生の名前がついているのだから、絶対に省略してはいけません。ただし受験では絶対に出ません。
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