まし
概要
※「活用語」とは、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞のこと。
※「ためらいの意思」の代わりに、「推量」と言われることもある。
例文
反実仮想
例文:鏡に色・形あらましかば映らざらまし。(徒然草)
訳文:もし鏡に色や形があったとしたら、何も映らないだろうに。(現実は違う、ただの妄想)
反実希望
例文:見る人も なき山里の 桜花 ほかの散りなむ 後ぞ咲かまし(古今集)
訳文:誰も見る人もいない山里の桜よ、他の桜が散った後で咲いたらいいのに。(現実は違う、ただの妄想)
ためらいの意志
例文:せずやあらましと思ふことは、(徒然草)
訳文:しないでおこうかなと思うことは、
識別のコツ
反実仮想の意味の「まし」には、お決まりの公式の形があるので押さえておこう。
この形にピンときたら110番、じゃなくて、反実仮想の「まし」 として訳す。
また、疑問の係助詞「や」や疑問詞を伴って「まし」が用いられた場合には、上の例の通りためらいの意志を表す。
補足
「反実仮想」はなかなか生きていても遭遇しない日本語だが、「現実と反することを仮に想定している」という意味。
なので、実際はそうではない、という意味が込められていて、さらに「でも現実は〜だから…だ」という気持ちが暗喩されている。
現代語で考えると、「あーあ、テスト1週間前から頑張っていたら良かったのに」みたいな感じ(現実には、1週間前は遊び呆けていたのでテスト撃沈)。
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