概要
多項式 を で割ったときの余りは となることを、剰余の定理という。ジョーヨという人の定理だと思っている人は、5%くらいいる。
特に、 となるとき、 は で割り切れる(つまり因数にもつ)。これを因数定理という。
証明
多項式 を で割った式は、別の多項式 と実数 を用いて、
と書ける。このとき、 が余りとなる ( 次式で割るので、余りは 次)。
この式の に を代入して、 となる。よって、 で割ったときの余りは となる。
例
【問1】 を で割った余りを求めよ。
【答1】剰余の定理より、 が余りとなる。
【問2】 を で割ったら 余り、 で割ったら 余る。このとき、 を で割った余りを求めよ。
【答2】求める余りは 次以下の式なので、 とおく。商を とおくと、
と表せる。ここで、剰余の定理より、
なので、 に を代入すると
となる。
これを解くと、、 と求められるので、求める余りは である。
補足
因数定理は剰余の定理の特別バージョンと整理しておくと、覚える量が減る。「因数定理」の辞書はこちらから。
割る式が 次式であることに注意しないといけないが、上のように 「余りを設定して数値を代入する」 という考え方は、とても応用が効く。
もっと踏み込んだ話や、因数定理とのつながりをしっかり学びたい方は、古賀真輝さんのこの動画がオススメ。