アプリ「okke」で効率よく学ぶ!

ファラデーの電磁誘導の法則


概要

レンツの法則の辞書で見たように、コイルの内部の磁場の変化によって、コイルに電圧が生じる現象を電磁誘導という。磁場を変化させることで、電流を流すことができるのがおもしろポイントだった。

電磁誘導により生じた電圧を誘導起電力といい、誘導起電力によって閉じた回路に流れる電流を誘導電流という。

この誘導起電力の大きさを求めることができるのが、ファラデーの電磁誘導の法則である。法則の名前が長いので、ノートを取るのが大変なことで有名な法則の1つ。内容を理解して、使いこなせるようになろう。

イギリスのファラデーは、誘導起電力の大きさが、コイルを貫く磁束の単位時間あたりの変化に比例することを発見した(磁束については後で解説)。式にすると、1巻きのコイルを貫く磁束 が、時間 の間に、 だけ変化するとする。このとき、生じる誘導起電力 は、

となる( はファイと読む、 の大文字バージョン)。この式は符号付きになっていて、磁場の正の向きに進むような右ねじが回る向きを、誘導起電力の正の向きとして考える。

Untitled 1 P1 54.png

このように定められる誘導起電力の向きは、レンツの法則により定まる誘導起電力の向きとも一致していることを確認しよう。

Untitled 1 P1 167.png

磁束とは

電場の強さを、「線の本数」という目で見てわかりやすい形にした電気力線の考え方と同様、磁束密度を目で見てわかりやすい形にした磁束線というものを考える。

磁束密度の大きさが のところでは、磁束線を、単位面積あたり 本の割合で、 の向きに引く。よって、 に垂直な面積 の断面 を通る磁束線の数 は、

となる。この を、断面 を通る磁束という。

単位は、実は磁気量と同じウェーバー を用いる。以下、それを証明する。まずは磁場の単位について、

である(電流が作る磁場の辞書を参照)。

ここで、磁束密度 の単位 電流が磁場から受ける力の辞書を参照)について、

と変形できるので、磁束密度 の単位は と表されることがわかる。よって、 より、磁束 の単位は、

と求められる。

ちなみに、磁束密度 の単位はたくさん出てきて頭がプスンプスンしてくるので、整理しておこう。

これら全て磁束密度の単位を表す。

N回巻きのとき

コイルが 回巻きのときは、1巻きのコイルを直列に 個つなげたことと同じになるので、誘導起電力は 倍になる。式は、

で表される。

【問】100回巻きのコイルを貫く磁束が、 では であったのが、 では に変化した。コイルに生じる誘導起電力の大きさを求めよ。

【答】ファラデーの電磁誘導の法則より、

とわかる。ちなみに、磁場の変化を打ち消し合うような誘導電流を流す向きに、誘導起電力が生じる。

補足

時間 をどんどん小さくしていくと、微分を用いて

と表せる。問題を解いていてこっちの方が便利なことも多い。

タグ

# ウェーバー
# ファラデーの電磁誘導の法則
# レンツの法則
# 磁場
# 磁束
# 磁束密度
# 磁束線
# 誘導起電力
# 誘導電流
# 電磁誘導