ファラデーの電磁誘導の法則
概要
レンツの法則の辞書で見たように、コイルの内部の磁場の変化によって、コイルに電圧が生じる現象を電磁誘導という。磁場を変化させることで、電流を流すことができるのがおもしろポイントだった。
電磁誘導により生じた電圧を誘導起電力といい、誘導起電力によって閉じた回路に流れる電流を誘導電流という。
この誘導起電力の大きさを求めることができるのが、ファラデーの電磁誘導の法則である。法則の名前が長いので、ノートを取るのが大変なことで有名な法則の1つ。内容を理解して、使いこなせるようになろう。
イギリスのファラデーは、誘導起電力の大きさが、コイルを貫く磁束の単位時間あたりの変化に比例することを発見した(磁束については後で解説)。式にすると、1巻きのコイルを貫く磁束
となる(
このように定められる誘導起電力の向きは、レンツの法則により定まる誘導起電力の向きとも一致していることを確認しよう。
磁束とは
電場の強さを、「線の本数」という目で見てわかりやすい形にした電気力線の考え方と同様、磁束密度を目で見てわかりやすい形にした磁束線というものを考える。
磁束密度の大きさが
となる。この
単位は、実は磁気量と同じウェーバー
である(電流が作る磁場の辞書を参照)。
ここで、磁束密度
と変形できるので、磁束密度
と求められる。
ちなみに、磁束密度
これら全て磁束密度の単位を表す。
N回巻きのとき
コイルが
で表される。
例
【問】100回巻きのコイルを貫く磁束が、
【答】ファラデーの電磁誘導の法則より、
とわかる。ちなみに、磁場の変化を打ち消し合うような誘導電流を流す向きに、誘導起電力が生じる。
補足
時間
と表せる。問題を解いていてこっちの方が便利なことも多い。