き・けり
概要
※「活用語」とは、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞のこと。
未然形のかっこが気になってしょうがない方も多いと思うが、それは補足で。
例文
過去
例文①:京より下りし時に、みな人子どもなかりき。(土佐日記)
訳文①:京から下った時には、誰も皆まだ子供がいなかった。
例文②:今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。(竹取物語)
訳文②:今ではもう昔のことだが、竹取の翁という者がいたそうだ。
詠嘆
例文:「鰐に食ひ切られたるなりけり」と見るほどに、(宇治拾遺物語)
訳文:「鰐(ワニ)に食いちぎられたのであるなあ」と思われるときに、
(すごいことを詠嘆してる...)
識別のコツ
上の例のように、同じ過去の意味でも、
- 「き」の過去 → 自分自身が体験や見聞したこと
- 「けり」の過去 → 伝え聞いたことの回想
という使いわけがある。
さらに、詠嘆の「けり」は、和歌や会話文中で用いられることが多い。あろ、「〜なりけり」という形も多い。
補足
「き」の未然形「せ」は、反実仮想の形の際にしか使わない。
「けり」の未然形「けら」は、主に奈良時代に使われた形で、いろんな文学が登場する平安時代以降はあまり使われない。
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