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終助詞


概要

終助詞は名前の通り文末に付く。まるっと学ぼう。

終助詞.png

願望

ばや

自分の願望を表す。他への願望を表す「なむ」との違いに注意。未然形に接続する。

  • 例文:今井が行くへを聞かばや(平家物語)
  • 訳文:今井の行方を聞きたい

未然形+接続助詞「ば」+係助詞「や」 の「ばや」と混同しないように注意しよう。

  • 例文:心あてに 折らばや折らむ…(古今集)
  • 訳文:もし折るとするならば、あてずっぽうで折ることになろうか。

※基本的には、文中にあるか文末にあるかで見分けられる。

てしが / てしがな / にしか / にしがな

完了の助動詞「つ・ぬ」の連用形「て・に」+過去の助動詞「き」の連体形「し」+願望の助詞「か」「かな」などがついた形。なので、「つ・ぬ」の接続ルールが発動して、連用形に接続する。

英語の仮定法過去と同じように、過去の助動詞を用いることで実現性の低い願望を表している。(過去の願望ではない点に注意)

願望の助詞は、平安時代以降は濁音化した「が」「がな」が使われるようになった。

  • 例文:いかでこのかぐや姫を得てしがな、見てしがなと(竹取物語)
  • 訳文:どうにかしてこのかぐや姫を手に入れたいものだなあ、妻にしたいものだなあと

なむ

「ばや」と違い、自分以外の誰か・何かへの願望を表す。未然形に接続する。他の「なむ」との識別に注意。

こんな感じで見分けられる。

  • 例文:いつしか梅咲かなむ。(更級日記)
  • 訳文:早く梅が咲いて欲しい。

もがな / がな

体言や活用語の連用形、助詞などに接続して、「…があればなあ」という願望を表す。

  • 例文:あつぱれ、よからう敵がな。(平家物語)
  • 訳文:ああ、私にふさわしい敵将がいればいいのに。

詠嘆

かな / な

「かな」は体言・連体形に、「な」は体言・文末に付いて、詠嘆を表す。「な」については下で見るように「禁止」の意味もあるので、接続で見極めよう

  • 例文:こちなくも、聞こえおとしてけるかな。(源氏物語)
  • 訳文:無作法にも、けなしてしまったものだなあ。

念押し

かし

文末、つまり文が終わった形に接続して、「…よ」「…だよ」という念押しを表す。マイナーな終助詞。

  • 例文:しばしはおされたまひにきかし。(源氏物語)
  • 訳文:しばらくは圧倒されてしまったことよ。

禁止

な / そ

「な」は終止形に、「そ」は連用形に付いて、禁止を表す。(「そ」は、カ変・サ変には未然形に接続する)

  • 例文:あなかしこ、近くな寄り。(今昔物語)
  • 訳文:決して、近くによるな。

※この「な」は副詞で、「な…そ」で禁止を表すことが多い。

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