まじ
概要
※「活用語」とは、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞のこと。
「まじ」は 助動詞「べし」の打消なので、「べし」を覚えれば、「まじ」の活用も意味も簡単に覚えられる。
例文
打消推量
例文:わが身こそは、え生きとまるまじき心地すれ(源氏物語)
訳文:わが身は生き長らえられそうにない心地がするので、
打消意志
例文:わが身は女なりとも、敵かたきの手にはかかるまじ。(平家物語)
訳文:わが身は女であっても、敵の手にはかからないつもりだ。
不可能
例文:こよひはえ参るまじ。(枕草子)
訳文:今夜は帰れそうにありません。
打消当然
例文:かかる折にも、あるまじき恥もこそと心づかひして、(源氏物語)
訳文:このような時にも、あってはならない失態をしたら大変だと配慮して、
禁止
例文:人に漏らせたまふまじ。(源氏物語)
訳文:他人にお漏らしなさってはいけない。
※「せ」は助動詞「す」の尊敬の意味(最高敬語)
識別のコツ
「まじ」は 助動詞「べし」の打消なので、「べし」の識別のコツがそのまま適用できることがある。
つまり、主語が何人称なのか、に着目すると、
- 一人称 → 打消意志
- 三人称 → 打消推量
というのが目安になる。
禁止の場合は、会話文中で特定の相手に対して用いられることが多い。
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