呼応の副詞(打消)
概要
副詞と対応する表現がセットになっているような副詞のことを、呼応の副詞という。陳述の副詞とも呼ばれる。
副詞と対応する語がお互いに呼応している(呼び合っている)、という意味で、こういう表現がされている。
例えば、文中に「〜たら」が出てきた場合には、上に「もし」が来るんじゃないか?と考えることができる。これがまさに呼応の副詞の考え方。
ここでは打消の表現とくっつく副詞を紹介する。(その他の呼応の副詞はこちら)
これらの副詞を見たら、下に打消の表現がないか注意するようにして、訳を間違えないようにしよう。
「打消」といっても色々あり、
- 打消の助動詞「ず」
- 打消推量の助動詞「じ」
- 打消推量の助動詞「まじ」
- 打消接続の接続助詞「で」
- 形容詞「なし」
- 反語表現
など、否定的な意味を持つものが色々とくっつくことになる。
ただ、副詞「よも」には、ほとんど打消推量の助動詞「じ」が呼応するので、押さえておこう。
いくつか例文をあげておく。
例文①:えさらぬ馬道の戸を(源氏物語)
訳文①:(通ることを)避けられない長廊下の戸を
※「さらぬ」:ラ行四段「避る」の未然形+ 打消の助動詞「ず」の連体形
例文②:よも子を捨てては逃げじ。(今昔物語集)
訳文②:まさか子供を捨てて逃げたりはしないだろう。
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