定圧モル比熱
概要
とても大事な概念である一方で、とても忘れやすいので、「モル比熱」とは何かを理解して、忘れても作り出せるようにしておくのがポイント。
数式で表すと、
で求められる。
モル比熱の中でも特に、気体を定圧変化(圧力一定で変化)させるときのモル比熱のことを定圧モル比熱といい、
という定数になる。(ただし
導出
を使って定圧モル比熱を求めていこう。
吸収した熱量は、熱力学第一法則で求めていきたいので、内部エネルギーの変化と、外部からされた仕事を別で求める。
① 内部エネルギーの変化
上の図のように、一定の圧力
このとき、内部エネルギーの変化は
と求められる。
② 外部にした仕事
この変化では、体積が増えているので、気体が外部に対して正の仕事をする。
※理解できない方は、面積
と求められる。
ここで、状態方程式より、変化前と変化後の状態において、
が成り立つので、辺々引いて、
を得る。よって、気体がこの定圧変化により外部にした仕事は、
となる。
以上①②より、熱力学第一法則から、気体が吸収する(受け取った)熱量は、
と求められる。よって(
と求められる。
補足
定積モル比熱
の関係が、単原子分子であるかによらず成り立つ。これをマイヤーの関係式という。
また、二原子分子の場合は、内部エネルギーは
となるが、まあ受験物理では使わない。理想気体じゃないと成り立たない理由も、内部エネルギーの辞書を参照。