仮定形
仮定形
何かを仮定するこの句形は、漢字の読み方と古文の接続助詞の知識がわかれば、だいたい意味もわかるはずなので、とりあえず漢字の読みを押さえよう。
- 如 / 若〜(もシ〜バ)
- 苟〜(いやシクモ〜バ)
- 縦〜(たとヒ〜トモ)
- 雖〜(〜トいへどモ)
例えば「もし」とか「いやしくも」とかが付いていなかったとしても、古文の接続助詞で学んだ通り、未然形+「ば」だけで順接の仮定条件(もし〜ならば)の意味になるので注意。
如 / 若〜
- 読み方:もシ〜バ
- 訳し方:もし〜ならば
「ば」の前は未然形となる(下の補足も参照)。
例文中の「不敢〜」は強い否定の表現なので、合わせて復習しておこう。(こちらの、部分否定の辞書の下の方を参照)
「如」「若」以外にも、 「使」「令」「仮如」 なども同じ読みや意味を持つ。
【整理】「如」「若」が登場する他の句形
苟〜
- 読み方:いやシクモ〜バ
- 訳し方:かりにも〜ならば
「ば」の前は未然形となる(下の補足も参照)。
これだけは、「いやしくも」と漢字を読めてもちょっと何言ってるかわからないので、意味も覚えておこう。
送りがなが「いやしくモ」となっている場合もある。
縦〜
- 読み方:たとヒ〜(ト)モ
- 訳し方:たとえ〜ても
「とも」と続く場合は直前は終止形、「も」と続く場合は直前は連体形となる。
例文中の「寧〜」は「なんぞ〜」と読んで疑問・反語の表現なので、合わせて復習しておこう。(こちらの、疑問・反語の辞書を参照)
「縦」以外にも、 「縦使」「縦令」「仮令」 などの二文字セットも同じ読みや意味を持つ。
雖〜
- 読み方:〜トいへどモ
- 訳し方:〜ても
「と」の直前は体言か連体形がくる。
発展
余裕があれば、
- 微〜(〜なカリセバ):〜がなかったならば
という句形も押さえておこう。古文でいうところの反実仮想の表現。
補足(古文との比較)
古文では、接続助詞「ば」が順接の仮定を表す場合は未然形接続であったのに対し、漢文では、「ば」が已然形についたり、連用形+「ん」についたりしても順接の仮定を表すことがあるので注意しよう。結構ゆるい。
タグ
# 仮定形
# 如A、則B
# 微AB
# 接続助詞
# 比況形
# 比較形
# 縦A、B
# 若A、則B
# 逆接仮定条件
# 雖A、B
# 順接仮定条件