磁場
概要
ここでは、磁場
まず、磁石について考えてみよう。磁石の同じ極を近づけ合うと反発し、異なる極を近づけると引き寄せ合う。離れてるのに、この力(磁気力)はどうやって働いているのだろうか?
何かこれって、電荷同士がクーロンの法則で力を及ぼし合ったのと似てないか、と考えてみよう。
電荷のときはどうやってこの力を説明したかを復習すると、電場の辞書を復習するとわかるように、電荷が周りの空間に電場を作り出しており、それが離れた電荷に力を及ぼすという考え方をした(これを近接作用といった)。
これと同様にして、磁気力の場合も、磁荷というものがその周りに磁場を生じさせて、それが離れた磁荷に力を及ぼすと考えることができる。
ただ実は残念なことに、電荷と違って、磁荷の場合は 「正磁荷」「負磁荷」のように1つの極(単磁極)だけ取り出すことはできない(磁石の場合、ちょん切るとまたN極・S極ができてしまう。というか正しくは単磁極はまだ見つかっていない。見つけたらノーベル賞確実くらいの快挙になる)。とはいえ磁石のように、2つの極を持つものは存在する。そこで、磁石の端の磁気力が一番強くはたらく位置のことを 「磁極」 とよび、そこに磁荷があると考える(N極の磁気量が正、S極の磁気量が負とする)。
それ以外は電荷や電場と全く同じように議論ができる。以下磁気力の大きさや磁場の定義を見ていこう。
クーロンの法則(磁気力)
クーロンは、長い棒磁石を用いて、2つの磁極の間にはたらく磁気力の大きさを調べたところ、それぞれの磁気量の大きさの積に比例し、磁極間の距離の2乗に反比例することを発見した。つまり、電荷についてのクーロンの法則と同じことが成り立つ。それぞれの磁気量を
これを磁気力に関するクーロンの法則という。
真空中で強さの等しい2つの磁極を1m離して置く。このときにはたらく力の大きさが
となる。
磁場
上で見たように、磁気力は磁極が周りに作り出す磁場によって伝わる。磁場の向きや力は、電場と同様に定義する。つまり、ある点に置かれている磁極
と定義する。大事なのが、力はベクトルなので、磁場はベクトルだということ。また、定義から単位は
この図の中で、作用反作用の法則から及ぼし合う力は逆向きで同じ大きさとなり、磁極Aの位置での、Bによる磁場の大きさは、
磁束密度Bとの関係
詳しくは、電流が磁場から受ける力の辞書で解説しているが、物質の種類によって決まる透磁率という比例定数
と定義する。磁束密度の単位はテスラ
使い分けとしては、教科書の流れでは
- 電流が作る磁場の話題では、磁場
を用いる - 電流が磁場から受ける力やローレンツ力、電磁誘導の話題では、磁束密度
を用いる
ことが多い。
なんでこんな似たようなのが2つも出てくるんだ...